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福家書店の平台で、書店のオススメポップがついていたので読んでみました。
主人公は元脳外科医のホームレス。
ある日火事を発見・通報したことで、連続(?)殺人に関わっていくことになる・・・
オススメされていただけあって、読ませる本でした。

「人の肉体を殺したら罰せられるのに、人の心を殺しても罰せられないのですか?」 
このフレーズはいつまでも残るものになりそうです。
でも・・・なんだろう。読後感がすっきりしないんです。
主人公の抱えている苦悩が深く、さらに「ひょっとしたら・・・」の悪い予感に最後まで引きずられて、殺人事件のほうの印象が希薄な点もちょっと気になりました。
車椅子の被害者の「悲しみ」って結局なんだったんだろう~なんて今、思っていたりして^^;
・・・すっごい身勝手な被害者と加害者だったような・・・

や、主人公が一番、身勝手で、そのむくいを受けたあげくのホームレスで。
そこからどう自分を取り戻していくか、が主眼だったとは思うのです。
変則的な推理小説、なのかな。
そう考えると、前回の長嶋有さんの本とは対照的な位置にある本だったような気もします。
とりあえずもう1冊読んでみよう、と思い『矩形の密室』を図書館で予約しました。
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