朱川湊人

作家の柴田よしきさんのブログで「ハートウォーミングでほっとできる」と紹介されていた朱川湊人さんの本。


これは新刊なので図書館では順番待ち・・・
他の作品を読んでみることにしました。
ホラー大賞受賞者、ということは当然ホラー作品が多くて、


こちら2冊、ホラーの短編集でした。
そういえば以前『いっぺんさん』と『花まんま』は読んだな～と思い出したり（笑）
流麗で読みやすい文章で語られる短編は私のホラーのツボを押すものではなくて、、、あくまで「私の」ですよ？　さらっと読んでしまっていたのでした。
ところが今回、長編の作品をはじめて手にとって、これが・・・実になんというか・・・


猫社会に場を借りていますが、新興カルト宗教の異様さやら過激派の内部抗争やらを思わせる身勝手な視野狭窄な悲劇と、それに偶然関わってしまったゆえ突きつけられる人間の傲岸さ、頑迷さ・・・人が絶対的に上位だと？
それを書くために猫が大量に虐殺されます。犬も死にます。人も・・・
その描写がリアルでグロテスクで、繊細な（普通の？）神経の持ち主だったら夢に見ちゃうかも。

なんだか逆に、この人の描く「ハートウォーミング」に興味を惹かれています。