村の記録&読書記録(笑)
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『海の底』の方は今年5月に読んでいたのですが、『クジラの彼』をようやく読了したので・・・
『クジラの彼』は自衛官の恋バナ(笑)6編からなる短編集なのですが、表題作他1編が『海の底』のスピンオフ。もう1篇が『空の中』のカップルの後日談になっています。
『海の底』は、怪獣映画がお好きな方なら文句なしにオススメできるのですが、人間が未知の生物に食い散らかされる描写などがあるので、万人にはオススメできない作品なので、ここではご紹介を控えていました。
でも・・・短編のクジラの彼を読んで、そこに書かれていない背景を『海の底』を読んだからこそ強烈に感じることが出来て、なんだかいまさらながらに感動しちゃったり、考えさせられたりしたので、並べてご紹介しておきたいと思います。
いつ出航するのか、どこの国で活動しているのか、日本のどこに寄港するのか、いつ作戦が終了して帰ってくるのか・・・家族にすら知らされずに突然消息不明になってしまう潜水艦乗り。最近は携帯がありますから海上自衛隊の中でも船乗りなら、どこかの国の沿岸に近付けばメールや電話連絡が取れたりもするようですが、潜水艦勤務はそれすらムリで。
そんな彼氏を持ってしまった女の子は当然寂しくて辛いのだけれど、それ以上に彼氏のほうも彼女に「我慢させることがどれだけ辛いか分かるから、無理強いもできない」って引け目をずっと持っていて。
冬原さんが『海の底』の事件・・・大惨事が片付いた直後、
携帯の充電よりもシャワーよりも何よりも先に、聡子のマンションのエントランス脇で(異臭を漂わせながらw)仕事から帰ってくるのを待ってたその心境。。。
何事が起きているのかもTVのニュースでしか知らされず「そこにいるのかも」と思いながら確かめるすべもなく、ただ待っていることしかできなかった聡子が、(いやったらしいストーカー上司に追いかけられていたタイミングだったとはいえ) まっすぐにどろどろで疲れきった(異臭の塊のwwww)冬原さんの腕の中に飛び込んで行った気持ち。。。
大切なものを、確かなものとして、この手に掴んでいられる幸せを・・・なんだか思わず噛み締めてしまいました。
『図書館戦争』シリーズは再読しなくてもいいかな?って感じるのですが、この話は両方こみこみで読み返したい本になりました。
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