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読了しました。
表紙とキャプションで想像していた物語と全然違いました。

「ニーチェや哲学書が愛読書」と公言する頭でっかちの傲岸不遜なチェロ弾きのお坊ちゃんが、芸大付属高校に「学科で」(笑)落ちて、音楽科としては新興の三流校(でも実は彼のおじいさまが造った学科w)に入学。
元々は女子高で男子生徒は学年に10人未満。エスカレーター式に幼稚園から上がってきて、このまま大学へエスカレーターで上がっていく女子だらけの独特の雰囲気の中で過ごす三年間の・・・青春の苦さ、、、
「ほろ苦い」とか「甘酸っぱい」とかのレヴェルではない、本物を目指したが故の焦り、挫折、取り返しのつかない時間・・・
頂点に憧れても、(自分なりのw)努力を重ねても、届かない。
甘ちゃんなお子ちゃまな部分が残っている分、傷つける大きさも受ける傷の深さも・・・リアルで。
でも、主題が「音楽」ですから・・・その文章で表される音楽の美しさ、そこへ打ち込んでいく若いエネルギーの芳醇さ、熱さ、達成感、挫折感。。。

40代を迎えてしまった主人公がやっと音楽を趣味として考えられるようになった今、
「そのとき」を振り返って綴った物語でした。
痛い、辛い、重い、頭を抱えてしまうほど恥ずかしい青二才だったあの頃が・・・でも、私にも、たぶんどなたにも覚えがあるあの頃。
精神的にキツイ時、「そのとき」の只中にいる人にはオススメは出来ないかもしれませんが、でも、大人になってしまった方には、手にとって見ていただきたい本でした。

・・・「本屋大賞」というより「芥川賞」なんじゃね?(爆)
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