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取った方の本。



取るかもしれない(笑)作家さん。



ここのところ立て続けに読んだ本です。芥川賞の対象の「純文学」ではないですが、どの本もさすがの文章力で読ませます。
オススメはこの順番、かな。
小川洋子さんの本は新聞に連載されていたもので、昭和の高度成長期を背景に、中学一年生の女の子が大金持ちの親戚の家で過ごす風変わりな、でもすごく充実した一年間の話です。
この作家さんの本は「博士の愛した数式」以来2冊目なんですが、あれもよかったですよね・・・

伊藤たかみさんの本は「共感覚」をもつ大学生が「死んでしまった大好きだったひと」と同じ形を持つ女性と出逢って・・・実はその女性はその「死んでしまったひと」の彼氏の今カノで・・・それはいったい??という物語。
「共感覚」って本当にあるんだそうです。詩人のランボーが有名なのだそうで、本文にも引き合いがでてきます。日本人では宮沢賢治がそうだったそうで、そちらは解説氏があげています。
死んでしまった女性を一生懸命追いかけるなんて、生きている彼女があまりに可哀想で惨めよね、と思いながら読んでいたら、しっかり登場人物がズバリ指摘してくれて(笑)ちょっぴり溜飲がさがりました。
「純粋に愛されたい」って願いは・・わかりますが・・難しいですよね。 でも、それがどこにあるか私は知っていますし、彼女も見出すことができたという結末で。「私は」ホッとしました(笑)
でも、これは違う感想が、読者の性別や年代や経験で出てくるかもしれないです。
「ミカ!」や「ぎぶそん」など、いわゆるヤングアダルトものしかこの作者さんの本は読んでいなかったのですが、それらよりも私には良かった一冊になりました。

樋口有介さんの本は、実は一番純文学に近いかもしれませんw
「社会性過剰適応症」(最近はあらゆる症状にきちんと病名がつくのね~^^;)の青年の周りで起こる「普通の家庭問題」を彼らがどう切り抜けて??決着がついていくのか・・の物語。
家庭問題。
27歳の姉は不倫相手に双子が出来てぶち切れている。
60歳間際の父親は会社の25歳の部下と浮気して、それが母親にバレかかっている。
自分は定職ももたず、進むべき道も決められず、好き勝手ばかり言う家族のまんなかでオタオタしてる。
そんなとき不思議な雰囲気をもった女の子に出逢って、その子が忘れられなくなって・・・
21歳の高校中退→大検→大学中退のフリーターがひとつの出会いによって「自分」というものへの自覚を見つけるまで。。。
なんかもう、あまりにみんな自己中で(爆)リアルっぽいったらありゃしないw
で、過剰に適応したがってしまう、素直で優しい主人公に、実は心はすっかり甘えっぱなし。
読後感は悪くないのですが、「さ、もう一冊同じ作者さんの本を~」と進んで思えるタイプの本ではありませんでした。しばらく間をおいて情報を入れてから次を手に取りたいと思っています。
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